ニューヨーク観光で本当に良かった所:グランドセントラルターミナルツアー

New York

Meet me at the clock

“Meet me at the clock.” これをニューヨークで言うと、特定の一か所を指します。それが、マンハッタンの42丁目にあるグランドセントラルターミナル。

グランドセントラルのシンボルの時計

グランドセントラル駅には、メトロノース鉄道(Metro-North Railroad)、ロングアイランド鉄道(LIRR)の他、地下鉄の4、5、6、7とタイムズスクエアシャトル(S)の5線が乗り入れます。次々と列車が発着するこの巨大ターミナルは、列車を利用する人々に加え、美しい構内を一目見ようとする人もいて、いつもにぎわっています。駅の中には他にコーヒー屋、ダイニング、食料品店(Grand Central Market)、ニューヨーク交通博物館のショップなどがあるほか、時間帯によっては楽器を持ってきて演奏する人もいます。特に列車に乗る用事が無くても、ニューヨークの街に来たらなぜか何度も寄ってしまいます。

グランドセントラルターミナル構内

そんなグランドセントラルターミナルの構内は広く、時計と天井の星座のような有名な要素以外にも、知らなければ素通りしてしまうかもしれない、hidden gemがたくさんあります。少し前に、駅公式のウォーキングツアーに参加していろいろ話を聞いてきましたので、思い出せる限りのものを振り返っていきます。

ツアー公式サイトはこちら

公式ツアーを通してみてきたもの

星座のある大きな構内の一角に、切符売り場と並んで公式ツアーの受付があります。ここで受付をして、ガイドさんと合流。ちなみにですが、グランドセントラルには日本の駅のようなコインロッカーや手荷物一時預かり施設が一切ないので、身軽な状態で参加するのがおすすめです。

最初に来たのはVanderbilt Hall。実業家のコーネリアス・ヴァンダービルトさんの名前を取っています。彼は海運王や鉄道王の名をも持っており、小さいころから親族にお金を借りて渡し船運送の仕事をはじめ、巧みなビジネス戦術であっという間に独占までもっていってしまったとか。

Vanderbilt Hall

ホールはこの日は空でしたが、イベント会場としても頻繁に使用されます。

続いて注目するのはホールの天井にある照明。電球を沢山配置した眩しいものですが、こちらにも歴史が隠れています。この照明器具が初めて配置された頃は、まだ電気が完全には普及しておらず、ガスが主流でした。そんな中で、グランドセントラルは先駆けて電化されたのです。そこで、「うちは完全に電化しましたよ」ということをアピールするために、このようなものになったとか。形は主に2種類で、まつぼっくりに近いものもあります。

照明
照明(まつぼっくり型?)

次は若干地下に潜り、通路途中のWhispering Galleryに行きます。個人的にこれまでにも何度か通り過ぎていましたが、話を聞くまで知らなかったおもしろポイント。一緒にツアーに参加した人とペアを組み、アーチの支点となる角に対角上に立ちます。角のほうを向いて囁くと、なんと対角にいる人に伝わります!糸電話みたいなものですが、何も物を使わなくても見事届くんですね。グランドセントラルに来た際は、ぜひチャレンジしてみてください。観光で来た人が挑戦していることも結構あるので、すぐに分かるかと思います。

Whispering Gallery

ツアーでは途中で外にも出てきます。こちらはグランドセントラルの42丁目側で、左斜め前の橋の奥にあるのがワン・ヴァンダービルトです。この高層ビルには上に”Summit”と呼ばれる展望台があり、観光で行っても入場できます。

グランドセントラルとワン・ヴァンダービルト

このワン・ヴァンダービルトですが、近づくとまた秘密が一つ隠れています。それは地上寄りの階の形状。通りに面する部分が切り抜かれたように作られています。

ワン・ヴァンダービルトの下側、切り抜かれているような形状

このワン・ヴァンダービルトの形状は一つ目的をもって変えられているそうです。それは、遠くからもNYのランドマークの一つであるグランドセントラルが見えるようにと配慮したこと。実際、ワン・ヴァンダービルトの手前からグランドセントラルとクライスラービルのほうを見てみると、確かにグランドセントラルが見つけやすいですね。

ワン・ヴァンダービルトの下部の形を変えたことで、遠くからもグランドセントラルが見える

ツアーはまた駅の中に戻ります。お次は通路にある一つの時計。文字盤に加えて、Eastern Standard Timeの表記がついています。ESTとも略され、日本語では東部標準時。わざわざその表記があるのは、タイムゾーンを導入した際に、人々にここが東部標準時の区域であることを広く理解してもらうためだったそうです。グランドセントラルターミナルはタイムゾーンの導入の前からあり、この時計がその歴史を示しています。

構内中央から少し移動した通路にある時計

このEastern Standard Timeの時計から少し移動すると、天井画があります。

東部標準時の時計と同じ通路にある天井画

この天井画もまた産業の発展の歴史を少し反映したものです。高層ビルが建設されていくNYの様子や、電気機関車の絵があります。電気機関車は、絵が描かれたその頃から列車の動力に電気を使っていたことを表すのかもしれません。

天井画にズームイン

もちろんですが構内中央の最大の目玉、星座の天井画もツアーの範囲内です。そもそも星座の向きなどが正しくない(!?)ことや、画像中心から少し左側にある黒い丸穴の用途など、明日誰かに話したくなるようなそんな豆知識をいろいろ聞きます。また、構内には昔はもっと光が差し込んでいたが、周りにビルができたり空気が少し汚くなったりして、今はあまり外から入る光が減ったなどなど。

グランドセントラル構内、星座の天井画

いかがでしたか?90分でこの巨大ターミナルをより深く深く知れたかと思います。ニューヨークを訪れる際は、是非ともグランドセントラルに立ち寄ってみてください。今回も記事を読んでいただきありがとうございました!

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